1、ムドラーの意味

ムドラーとは、そもそも「形」や「印」の意味で手や足で象徴とするものを表します。
通常のヨガが身体全体を使ってポーズをとるのに対し、ムドラーは指や足でポーズをとるのが基本。
ムドラーにはたくさんの種類があり、それぞれ異なる意味を持つ点も押さえておきたいポイント。
「ムドラー(Mudra)」の語源はサンスクリット語で、指や足でポーズをとることから、指ヨガや足ヨガとも呼ばれています。
手や足でポーズをとることで、全身に秘められたエネルギーやパワーを閉じ込め、引き出します。
私たちが日常仏さまの前で掌を胸の前で合わせる合掌も実はムドラーの一種で、手と手の間に祈りや願い、静寂などを閉じ込めているのです。
では、下記にて具体的にムドラーの代表的な効果を3つご紹介していきます。
2、ムドラーの効果

(1)瞑想を深める
ムドラーには瞑想を深める効果があります。
瞑想中は、手でムドラーをとることが多く、特に瞑想の代表格ともいえる「チン・ムドラー」では、エネルギーの放出を防ぐことでエネルギーの循環が深まり、瞑想をより深めることができます。
上述したとおり、ムドラーにはたくさんの種類があるため、瞑想中にどのムドラーを行うかで、違った効果を得られるのも興味深いところ。
瞑想を始める前に、準備体操をしたり、姿勢を正すことでより高い効果を期待できますよ。
(2)チャクラを刺激する
ムドラーには、チャクラを刺激し、体内のエネルギーの循環を改善する効果があります。
チャクラとは、エネルギーが集まっているポイントで、人のエネルギーというものはこのチャクラを起点として身体全体に巡っていきます。
ムドラーには、チャクラと深い関わりがあり、ムドラーをすることでこのチャクラが刺激され、エネルギーの流れをより活性化させます。
(3)集中力を高める
ムドラーをすることで「印」に意識が集まるため、集中力が高まります。
瞑想やアーサナ(ヨガのポーズ)をとる際に、意識が一か所に集まっていないと、「この後何しよう?」や「今晩何食べよう?」などつい他のことを考えてしまいがち。
そのため、瞑想やアーサナの効果が半減してしまいます。
しかし、ムドラーをとることで、あなたの意識が一か所に集まるので、集中力がアップし、瞑想やアーサナの効果を高めることができるのです。
また、ムドラーをすることで感覚が研ぎ澄まされるため、呼吸力や観察力もアップし、より高い効果を期待することができますよ。
3、ムドラーの種類
前述した通り、ムドラーにはたくさんの種類があるのですが、今回はヨガでよく取り入れられる代表的な2つのムドラー「チン・ムドラー」と「アンジャリ・ムドラー」についてご紹介していきます。
(1)チン・ムドラー
チン・ムドラーは私たちにとって身近な仏様がとっているポーズで、瞑想の際に行うムドラー。
このムドラーをとることで、エネルギーが全身に循環し、身体の外へ出ていくことを防ぎます。
チン・ムドラーの「チン」は意識を表し、「思う」、「考える」、「注意する」といった意味。
また、人差し指は自我を表し、親指は神秘的な宇宙を表します。
つまり、親指と人差し指を結ぶことで、自分と宇宙を繋げようという意味があるのです。
チン・ムドラーのやり方ですが、左右の親指と人差し指をくっつけて円を作り、残りの指は軽く伸ばし、掌は上に向けて膝に置きます。
一見簡単そうにみえますが、とても神聖なポーズなので、静かに心を落ち着かせてポーズをとってみてくださいね。
(2) アンジャリ・ムドラー
アンジャリ・ムドラーとは、ヨガの最後にインストラクターが「ナマステ」と掌を合わせて挨拶するポーズ。
ヨガをされる方なら、一度は目にしたことがあるはず。
日本では、食事前後に「いただきます」や「ごちそうさま」という際に胸の前で掌を合わせ、食べ物や食事を作ってくれた人に感謝の気持ちを表しますが、アンジャリ・ムドラーでも感謝や尊敬の意味を表します。
より詳しくアンジャリ・ムドラーの意味を掘り下げると、右手は「陽」で神聖な意味があり、左手は「陰」で不浄と言われています。
この相反する2つをひとつに合わせることで、調和をとり、本来の自分を取り戻すのです。
やり方は、肩をリラックスさせ正座かあぐらをかいて胸の前で掌を均等な力で合わせましょう。
ぎゅっと合わせるのではなく、掌の間に空間が少しできる程度に軽く合わせて下さい。
4、ムドラーでワンランク上のヨガや瞑想を
今回はムドラーの意味や種類、その3つの効果についてご紹介しました。
ヨガや瞑想にムドラーを取り入れることで、より高い効果を得ることができます。
ムドラーを学んで、ワンランク上のヨガや瞑想を目指してみてはいかがでしょうか?